山本亜希メンタルクリニックのブログ ~千代田区 九段下より~ おしごと
東京都千代田区 九段下駅そば
「山本亜希メンタルクリニック」 院長によるブログです。

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2030.01.01 Tue l おしごと l top
2013年2月に開院した当クリニックも
おかげさまで無事に9年目を迎えることができました。

「忙しく働く人がちょっと体調を崩した時、気軽に相談できる場所」を目指し
若さと勢いと情熱で突っ走ってきた日々。

健康に何の不安もなく
よく働きよく遊び、とても幸せな時代でした。

同じ目標を共有できる、熱意のある優秀なスタッフの支えも得て

雨の日も風の日も
雪の日も嵐の日も
3度の入院(網膜剥離×2、膝の手術×1)も乗り越えて
診療を継続できたことを、心から感謝しています。

しかしながら。
気持ちだけは若いつもりでも、
私たちの身体は生身のもの。
時の流れに抗う事はできません。

私もスタッフも9年分、年をとりました。

年齢を重ねた分、
気持ちは柔軟になり、肩の力はうまくぬけるように。
自分であきれるほど振幅の大きかった感情の振れ幅も
小さくなり、
若い頃ずっと感じていた「生きづらさ」からは
ずいぶん距離がとれるようになってきています。
(いつも何かに腹を立て、いつも何かに文句を言って、しょっちゅう泣いている
 そんなちょっと困った若者だったんですよ!!!)

一方で、まさに加齢による影響に他ならないと思いますが、
以前よりも疲労が抜けるのに時間がかかり、
集中力の持続に難がある。
それは残念ながら否めない事実です。



この1年あまり、思いもよらぬ新興感染症の蔓延で
誰もが生き方や時間の使い方、働き方を模索する中、
私も「時間と共に変わっていく自分自身をどうマネジメントし、どう働くべきか」
を考えることがいつしか増えていました。

この場を借りて、今後について少しお話をさせてください。

まずは、診療時間変更のお知らせです。

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18時台の診療を大幅に縮小させていただきます。
特にお仕事帰りにご受診くださっている皆様に
ご不便をおかけする形となることを、まずはお詫び申し上げます。


私にとって働くこと、仕事を通じて世の中に恩返しをしていくことは
生きがいであり、自分の存在理由と言ってもいい大切なものです。

患者さんの温かい言葉に
たくさん励まされ、支えてもらってきました。
誰かが自分を必要としてくれている、その思いがいつも何かを頑張る原動力でした。
そしてそれは、これからもずっと変わらないのだと思います。

皆さまにご迷惑をおかけすることは本当に忍びなく
今回の決断もまさに断腸の思いです。



働き方、時間の使い方を変えなければならないと考えるきっかけのひとつは
ここ数年、次々に飛び込む
同年代の友人知人の大病や早世のニュースでした。

当初は
「大丈夫、私はまだまだ若いし」
「体力もあるし元気だし」
そう自分に言い聞かせて
まともに健康問題と向き合うことをどこか回避していたように思います。

それでも、
数値はときに驚くべき説得力とインパクトをもって
心の中に切り込んでくるもので…

この1年、それまで至ってノーマルだった血圧の値が急に上がってしまい、
減塩しても減量してもほとんど改善がなく

気持ちだけは充実していても、
体は立派に老いてきているのだとようやく自覚すると共に

私の人生も(平均寿命通り生きると仮定して)
折り返し地点をとうに通過していたことに気づき、
愕然としました。



現在、平日は19時まで診療を受け付けておりますが
患者さんをお見送りしてカルテ整理をし、事務作業をしてから帰宅すると
早くて21時、概ね22時から22時半。

診療以外の業務にも家事にもどうしても時間は必要で、
ここ数年、睡眠時間は平均して4時間前後でした。
・・・とても健康的な生活とはいえません。

個人事業主は健康管理も大事な仕事。
万が一、わたしが倒れたら、このクリニックは消滅してしまう運命です。

生涯現役でいたいからこそ
長くこの場所で仕事を続けていきたいからこそ
自分の生活のあり方を、思い切って見直さなくては。

なかなか下がらない血圧計の数字をみては
溜息をつく日々を重ね、
長い長い自問自答の末に
ようやく今の働き方を変えることに決めました。

どうか、ご理解・ご協力いただけますようお願い申し上げます。


変わってしまった世界が再び息を吹き返すまで、おそらくあと何年かかかるでしょう。
あるいは、もしかしたら完全には元に戻らないのかもしれない。

思うとおりにならないことがたくさんです。

会いたい人に会えない。
行きたい場所に行けない。
明るい未来が見えない。

こんな残酷な状況で辛い思いをしている方々を
これからも全力でサポートしていくつもりです。
その気持ちには一点の曇りもありません。

そして開院以来のコンセプトでもあった
「皆様にとって貴重な時間をできるだけ無駄にしたくない」
その思いも変わらないのですが、
そこに重きをおきすぎて自分が健康を損なってしまうのでは本末転倒です。

力は抜きませんが、
力を入れる時間をもう少し少なくし、
自分の身体を今までよりもほんの少し、多めにいたわっていこうと
今はそんな風に思っています。

そして、診療時間の短縮に伴い
できるだけ多くの患者さんに受診機会を提供できるよう、
いくつかご協力をお願いしたいこともございますので
ご覧いただけましたら幸いです。

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ご不便をおかけすることもあるかと存じますが、
時間帯や曜日の変更、
場合によっては治療場所の変更等の手段もご検討いただけたらと思います。

(今回の変更を機に他の医療機関での治療継続をご希望の方はお申し出ください。
 概ね1週間程度で次の先生に引き継ぐための書類をご準備いたします。)

皆様も、健康という大切な財産を
どうぞこれからもしっかり守っていけますように。

そのための一助として
10年目も20年目も元気に診療を続けていける自分であることを願いつつ
筆をおかせていただきます。
2021.04.09 Fri l おしごと l top
有名な元プロ野球選手が、覚せい剤取締法違反で逮捕されました。

世間から注目を浴び続けるアスリートの世界は
過酷なトレーニングに耐え、
常に結果を出すことを求められ・・・
苦難の連続なのだろうと想像します。

苦しい時も成果があがらない時にも
常に寄り添ってくれる誰か
すがることのできる何かの存在があれば
真っ暗闇の中であっても、それがひとすじの光になるのかもしれなかったのに

彼は、薬物に救いを見出してしまった。
そして依存症という病に飲みこまれてしまった。

彼がしかるべき治療を受け、罪は罪としてきちんとつぐない、
また世の中に居場所を得られる日が来ることを
願ってやみません。





    神様

    私にお与えください

    自分に変えられないものを 受け入れる落ち着きを

    変えられるものは 変えて行く勇気を

    そして 二つのものを見分ける賢さを


        God grant me the serenity
        to accept the things I cannot change;
        courage to change the things I can;
        and wisdom to know the difference.

                    
                   



神学者ラインホルド・ニーバー(1892-1971)により書かれた祈りの言葉は、
アルコール依存症や薬物依存症の方々の自助グループでしばしば唱和されます。
日本では「小さな祈り」「平安の祈り」と呼ばれています。



「変えられることと変えられないことを見分ける」こと。
そして、「変えられないものを受け入れる」こと。

ひとが生きていく上で、とても大切で
でも時々見失いそうになることのように思います。





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2016.02.17 Wed l おしごと l top
前回更新した記事で、メディアの医療情報について思うところを書きました。

私もせっかく、このような自ら発信できる場を持たせていただいているので、
メンタルの事に限らず、
お読みいただいている皆様にとってお役に立つような情報を
少しずつ発信していきたいと思っています。

今日は、救命救急についてのお話。

10年ほど前までは「気を失っている人の手当はABCの順!」が合言葉でした。

air-way(気道)のA、breathing(呼吸)のB、 circuration(循環)のCで
まずは空気の通り道を確保したのちに
人工呼吸をしつつ、
それから心臓マッサージを行いましょう
というもの。

ところが、これも既に今は昔。
2010年以降のガイドラインでは、
気道確保や人工呼吸よりも早く循環の確保を行うことが推奨されています。
ABC」ではなくて「CAB」が推奨されている順序です!

(無酸素状態による臓器のダメージを最小限にするためです。
 特に脳は酸素の供給停止後5分以上経過すると深刻な機能障害をきたすといわれています)

昨年10月に一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC)による「JRC蘇生ガイドライン」が5年ぶりに改訂されました。

BLS.jpg

引用元:
http://jrc.umin.ac.jp/pdf/20151016/1_BLS.pdf

最新のガイドラインでは
順序だけでなく、推奨されているマッサージのテンポや胸骨を圧迫する深さなども改訂されています。

2010年のガイドラインでは
「1分間に100回以上の心臓マッサージ」が推奨されていました。

2015年では
「1分間に100~120回」と変更されています。

(マッサージのリズムが早すぎると効果的な循環を確保できないため、
上限が設けられたという経緯があります)



しかし、ここで大きな問題が。

心肺蘇生を行うという非日常の緊急事態において
「1分に100回~120回」のペースをいったいどうやって守ればいいのでしょうか!?

そこで、皆さんに馴染みのある「音楽」がひとつの目安になります。

「アンパンマンマーチ」
「世界でひとつだけの花」

・・・ほぼ、1分で100拍のリズムです。

Princess Princessの「Diamonds」
ビートルズの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」

・・・ほぼ、1分で120拍のリズムです。

また、胸骨の圧迫は「5センチ程度、6センチをこえない」程度の力が目安です。



AED(自動体外式除細動装置)の普及もあり、
適切な初期対応を行うことで救える命が増えています。
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h24/h24/html/2-2-5-5_2.html

いざという時に、大切な人の命を守れるように
正しい知識を身につけて冷静な対処を行えるようになりたいです。




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2016.02.08 Mon l おしごと l top
昨日、Facebookにインフルエンザの流行について書きました。

インターネットで様々な情報に容易にアクセスできるこの時代。
もちろん私もひとりのユーザーとして大いに恩恵に授かってはいるのですが
時折、不正確な情報や少し偏りのある情報が流れてくることもあります。

大手ネットニュースで、「1月29日に全国でインフルエンザの注意報レベルに達した」と報じられました。
しかし、これは真に正確な情報ではありません。

ニュースソースである国立感染症研究所のサイトを検討すると
「全国で注意報レベル」ではなく、
「全国の多くの都道府県で注意報レベルを超え、一部では警報レベルに達している」状態
であったことがわかりました。

1月29日の時点で

●警報レベル 6道府県
●注意報レベル 35都府県
●警報・注意報レベルに達していない 6県


と報告されています。

もっとも、ニュースサイトの報じられ方も「流行しているから気をつけましょうね」という内容なので、
決して”大間違い”ではないのですが、個人的には少し残念に感じています。

行政からの情報発信が、やや難解であることも原因のひとつかもしれません。
情報を発信する立場の方は、勿論自分も含めてですが
「わかりやすく」「正確に」という基本中の基本を忘れないことが大切ですね。

そんなことを考えさせられる一件でした。



ちなみに。
インフルエンザの「警報」「注意報」の仕組みを簡単にご紹介しますと、

全国のおよそ5000件の医療機関のインフルエンザ患者数の統計から
各都道府県ごとに「注意報」や「警報」として注意喚起されるようになっています。

なお、
1医療機関あたり10名の発生で「注意報」となり、今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性を示唆します。
1医療機関あたり30名の発生により「警報」、つまり大流行の注意喚起です。

インフルエンザは、入念な手洗い、うがい、人ごみを避けるといった生活上の予防のほか、
ワクチンによる予防も効果が期待できます。

※2016.11.15 追記※
2016~2017年シーズンは当院ではインフルエンザ予防接種を取り扱わないことといたしました。
悪しからずご了承くださいませ。

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