山本亜希メンタルクリニックのブログ ~千代田区 九段下より~ おしごと
東京都千代田区 九段下駅そば
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2021.01.03 Sun l おしごと l top
(クリニックのFacebookに投稿した記事の一部改変、転載です)

2020年も折り返し地点を過ぎました。

これまでにない、なんとも濃密な半年間だったと思います。

1月に膝の手術のための入院、長期休診。
復帰後、世界中で猛威を振るう新興感染症。
移動や娯楽に制限を受けつつ、
不自由な身体や変わってしまった世界といかに向き合い、日々を過ごしていくべきか。
そんなことを考える毎日でした。
(おかげさまで膝は順調に回復して、
今は日常生活で不便を感じることがほぼない状態になっています!)

昨今の感染症に対する報道には、物申したいことが本当にたくさんあります。
でも、大きな声をあげることで
価値観や考え方の合わない人たちの攻撃を受けるのではないかという恐怖も拭えません。
それぞれの感じ方、それぞれの正義があるので本当に難しい問題ですね。

知識は人を勇気づけ、正しい方向に導いてくれます。
しかし、中途半端な見識や不十分な理解は逆に道に迷う結果を引き起こしかねません。

最近の一番強い違和感は、抗体に関する誤解の蔓延。

”抗体”の概念は
「外敵にとりついて自分を守ってくれる」と直感的に理解しやすく、頼もしさを感じさせるので、
独り歩きしやすい側面があるのでしょう。
しかし。「抗体があるから安心」あるいは「抗体がないから不安」という
誤った認識を持っている方が多すぎる現状に、強い危惧を抱いています。

「まだまだ抗体保有率が低い。
 だからこのあと第二波、第三波が必ずやってくる!」という誤解
をしている人が、
医師も含めあまりに多いことに驚きます。
人間の免疫システムは抗体によってのみ担われているわけではありません。
そして感染して抗体を産生するようになった個体においても、
それが一生涯の防御を担ってくれるという証拠も現段階では明らかではないのです。

コロナウイルスの大流行を経験し「恐れ過ぎず、油断しすぎず」のさじ加減を適宜微調整するために、
たくさん論文を読むようになりました。

ここ数年、雑誌に掲載される前の「査読前論文」を無料で公開しているデータベースが複数あります。
私の学生時代にはありえなかったことです。すごいなぁ!

査読前論文は最終的に誤りが指摘されたり、取り下げられたりすることもあるので
取捨選択にある程度の慎重さは求められますが

ここ1-2週間の間、複数の研究者が

●新型コロナに関しては、無症状感染者や軽症者は抗体が作られにくい。
 血液中に抗体が検出される期間もそう長くない。

●しかし、無症状感染者や軽症者で抗体が作られなかったケースの多くで、
 抗体を介さない「細胞性免疫」による免疫機構が働いている形跡が認められる。

●抗体だけを指標に判断すると、実際の感染既往者を少なく見積もってしまう恐れがある。

という報告をしております。
これは、「抗体保有者が多くなくても集団免疫は成立しうる」という仮説を支持するものです。

「交差免疫」という考え方もあります。
新しい病原体が体内に侵入したとき、過去に構造の似た病原体を撃退したことのある個体は、
既にもっている免疫を使って新しい病原体をも撃退できるという現象です。
ありふれた風邪のウイルスである、新型ではないコロナウイルスに感染した経験のある方の免疫システムが、
新型コロナウイルスにも有効であるという仮説も唱えられ、それを支持する研究結果も報告されています。

過剰に恐怖だけを煽る報道は、百害あって一利なしですよね・・・

免疫の役割、抗体の役割はこれからもっと明らかになっていくと思います。
その知見が、治療に役に立ち、私たちの平穏な生活の助けになるよう、正しく共有されていくことを祈っています。


2020.07.01 Wed l おしごと l top
個人のFacebookに投稿しておりましたが
多くの方に反響をいただきましたので、
こちらでも共有致します(一部改変)


世界中で猛威を振るっているコロナウイルス感染症。

正しく敵を知ってこそ、立ち向かうことができると信じていますが
巷にあふれる玉石混交の情報の渦におぼれそうな方も多いと思います。


感銘を受けた

「わかりやすく」
「シンプルに」
「偏りなく」

まとまった感染対策等々の資料を共有致します。


どれだけの情報を、どれくらいの頻度で仕入れて
取捨選択をどのようになすべきか?

誰かにとっての正解が、別の誰かにとっては不正解だったりするので
とても難しい局面だなとしみじみ感じています。

そしてこれまで何も考えずに享受していた
健康と安全のありがたさも。

既にここが情報過多になっている感も否めませんが💦
どなたかのお役に少しでも立てたら幸いです。


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ぬまがさワタリさんによる
イラスト図解! これが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)だ



ユーモアたっぷりのイラストで
わかりやすくウイルスの生態や対策の基本を紹介

※理解のしやすさを優先して簡略化されています。
 すこしだけ気になる箇所があるので、記事の最後で簡単に解説。(注1)
__________________

宮沢孝幸医師(京都大学)によるフライヤー

何に気を付けて行動するべきかシンプルに記載。

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早川(眞鍋) 葉子医師によるFB投稿
「コロナ感染から身を守る方法」


実践的でわかりやすい、平易な言葉で書かれた記事です。

どの程度ウイルスが残留するかについては「72時間」との断言はどうやらできない見込みとの論文もあり。
概略を下部に記載しております。

__________________

「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」

エビデンスの確からしさによる情報分類、
書籍の紹介等が役に立ちます。

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玉井道裕医師(諏訪中央病院)による
新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書


時折専門的表現もありますが
図表を多用し、多くの方にわかりやすく訴えかける資料です。

●前編:一般的知識 
●後編:爆発的流行に際しての心構え
●続編:地方に住んでいる方のために(4/10発表)

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新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会

一般的知識、日常の過ごし方
体調不良時の過ごし方
集中治療が必要になった時のための準備

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東洋経済オンラインの国内の感染状況の図表


日別、累計に切り替えて視覚的に状況を把握できます。

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神奈川県医師会の声明文


軽率な行動をとる若者、マスコミに惑わされて不安な方向けの提言

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自営の方、生活に困窮している方へ
融資制度や助成金のご案内


最新の情報をチェックし、早めの準備をしておくことをお勧めします。

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【以下は医療従事者向け、難しい表現がやや多めです】

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白木公康 医師・木場隼人 医師
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス学的特徴と感染様式の考察 


このページから
COVID-19治療候補薬アビガンの特徴
COVID-19を含むウイルス感染症と抗ウイルス薬の作用の特徴
にもリンク貼られています
__________________


追伸 
(注1)
最初にあげたぬまがさワタリさんの資料
とてもわかりやすくまとまっているのですが
3ページ目の「感染力」のイラストは検討が必要と感じます。
掲載のイラストですと「感染者が必ず倍々ゲームで増えていく」
かのような印象を受けられるのではないでしょうか。

更なるエビデンスの集積が待たれますが、
現在のところは
「感染した人のうち、他人には感染を広げていない者が8割程度」との認識をもっておくといいと思います。


(注1)

「コロナ感染から身を守る方法」の補足

4/2に科学雑誌に掲載された論文によれば(概要こちら
物質表面にコロナウイルスがとどまる時間は単純に「72時間」とはいえない可能性があります

【 超概略 】

コピー用紙・ティッシュペーパー→3時間後には検出されず

木材・布→2日後には検出されず
紙幣→4日目には検出されず

ステンレス・プラスチック→7日目には検出されず

※「一定の条件下で感染性のあるウイルスの検出される時間的限界」を示すあくまでもサンプルです。
 「ウイルスの付着した物体に接すると必ず感染する」ということでもないですし、「この時間経過していたら絶対安全」とも言えません。ウイルスの量、気温、湿度等の条件で変わってくる数値なので、あくまでも一つの目安として。

【 端折り過ぎの研究結果一部抜粋 】

ウイルスを含んだ溶液をしみこませた様々な物品の
室温22度、湿度65%の環境下で
一定時間(30分、3時間、6時間、1日、2日、4日、7日)経過後の観察では

コピー用紙とティッシュペーパーの表面では、30分後まで感染力を持つウイルスが検出されたが、3時間後には検出できなくなった。

木材の表面と布の表面では、3標本のうち1標本にのみ、1日後まで感染力を持つウイルスが検出されたが、2日目には全ての標本が陰性になっていた。

一方で、紙幣表面では2日後まで(4日後には陰性化)、
ステンレス表面とプラスチック表面では4日後まで(7日後には陰性化)、感染性のあるウイルスが検出できた。

【 消毒はとても有効 】

家庭用の漂白剤でもウイルスの除去に効果あります!
 

2020.04.13 Mon l おしごと l top
有名な元プロ野球選手が、覚せい剤取締法違反で逮捕されました。

世間から注目を浴び続けるアスリートの世界は
過酷なトレーニングに耐え、
常に結果を出すことを求められ・・・
苦難の連続なのだろうと想像します。

苦しい時も成果があがらない時にも
常に寄り添ってくれる誰か
すがることのできる何かの存在があれば
真っ暗闇の中であっても、それがひとすじの光になるのかもしれなかったのに

彼は、薬物に救いを見出してしまった。
そして依存症という病に飲みこまれてしまった。

彼がしかるべき治療を受け、罪は罪としてきちんとつぐない、
また世の中に居場所を得られる日が来ることを
願ってやみません。





    神様

    私にお与えください

    自分に変えられないものを 受け入れる落ち着きを

    変えられるものは 変えて行く勇気を

    そして 二つのものを見分ける賢さを


        God grant me the serenity
        to accept the things I cannot change;
        courage to change the things I can;
        and wisdom to know the difference.

                    
                   



神学者ラインホルド・ニーバー(1892-1971)により書かれた祈りの言葉は、
アルコール依存症や薬物依存症の方々の自助グループでしばしば唱和されます。
日本では「小さな祈り」「平安の祈り」と呼ばれています。



「変えられることと変えられないことを見分ける」こと。
そして、「変えられないものを受け入れる」こと。

ひとが生きていく上で、とても大切で
でも時々見失いそうになることのように思います。





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2016.02.17 Wed l おしごと l top
前回更新した記事で、メディアの医療情報について思うところを書きました。

私もせっかく、このような自ら発信できる場を持たせていただいているので、
メンタルの事に限らず、
お読みいただいている皆様にとってお役に立つような情報を
少しずつ発信していきたいと思っています。

今日は、救命救急についてのお話。

10年ほど前までは「気を失っている人の手当はABCの順!」が合言葉でした。

air-way(気道)のA、breathing(呼吸)のB、 circuration(循環)のCで
まずは空気の通り道を確保したのちに
人工呼吸をしつつ、
それから心臓マッサージを行いましょう
というもの。

ところが、これも既に今は昔。
2010年以降のガイドラインでは、
気道確保や人工呼吸よりも早く循環の確保を行うことが推奨されています。
ABC」ではなくて「CAB」が推奨されている順序です!

(無酸素状態による臓器のダメージを最小限にするためです。
 特に脳は酸素の供給停止後5分以上経過すると深刻な機能障害をきたすといわれています)

昨年10月に一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC)による「JRC蘇生ガイドライン」が5年ぶりに改訂されました。

BLS.jpg

引用元:
http://jrc.umin.ac.jp/pdf/20151016/1_BLS.pdf

最新のガイドラインでは
順序だけでなく、推奨されているマッサージのテンポや胸骨を圧迫する深さなども改訂されています。

2010年のガイドラインでは
「1分間に100回以上の心臓マッサージ」が推奨されていました。

2015年では
「1分間に100~120回」と変更されています。

(マッサージのリズムが早すぎると効果的な循環を確保できないため、
上限が設けられたという経緯があります)



しかし、ここで大きな問題が。

心肺蘇生を行うという非日常の緊急事態において
「1分に100回~120回」のペースをいったいどうやって守ればいいのでしょうか!?

そこで、皆さんに馴染みのある「音楽」がひとつの目安になります。

「アンパンマンマーチ」
「世界でひとつだけの花」

・・・ほぼ、1分で100拍のリズムです。

Princess Princessの「Diamonds」
ビートルズの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」

・・・ほぼ、1分で120拍のリズムです。

また、胸骨の圧迫は「5センチ程度、6センチをこえない」程度の力が目安です。



AED(自動体外式除細動装置)の普及もあり、
適切な初期対応を行うことで救える命が増えています。
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h24/h24/html/2-2-5-5_2.html

いざという時に、大切な人の命を守れるように
正しい知識を身につけて冷静な対処を行えるようになりたいです。




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2016.02.08 Mon l おしごと l top