山本亜希メンタルクリニックのブログ ~千代田区 九段下より~ おしごと
東京都千代田区 九段下駅そば
「山本亜希メンタルクリニック」 院長によるブログです。

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2018.01.31 Wed l おしごと l top
有名な元プロ野球選手が、覚せい剤取締法違反で逮捕されました。

世間から注目を浴び続けるアスリートの世界は
過酷なトレーニングに耐え、
常に結果を出すことを求められ・・・
苦難の連続なのだろうと想像します。

苦しい時も成果があがらない時にも
常に寄り添ってくれる誰か
すがることのできる何かの存在があれば
真っ暗闇の中であっても、それがひとすじの光になるのかもしれなかったのに

彼は、薬物に救いを見出してしまった。
そして依存症という病に飲みこまれてしまった。

彼がしかるべき治療を受け、罪は罪としてきちんとつぐない、
また世の中に居場所を得られる日が来ることを
願ってやみません。





    神様

    私にお与えください

    自分に変えられないものを 受け入れる落ち着きを

    変えられるものは 変えて行く勇気を

    そして 二つのものを見分ける賢さを


        God grant me the serenity
        to accept the things I cannot change;
        courage to change the things I can;
        and wisdom to know the difference.

                    
                   



神学者ラインホルド・ニーバー(1892-1971)により書かれた祈りの言葉は、
アルコール依存症や薬物依存症の方々の自助グループでしばしば唱和されます。
日本では「小さな祈り」「平安の祈り」と呼ばれています。



「変えられることと変えられないことを見分ける」こと。
そして、「変えられないものを受け入れる」こと。

ひとが生きていく上で、とても大切で
でも時々見失いそうになることのように思います。





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2016.02.17 Wed l おしごと l top
前回更新した記事で、メディアの医療情報について思うところを書きました。

私もせっかく、このような自ら発信できる場を持たせていただいているので、
メンタルの事に限らず、
お読みいただいている皆様にとってお役に立つような情報を
少しずつ発信していきたいと思っています。

今日は、救命救急についてのお話。

10年ほど前までは「気を失っている人の手当はABCの順!」が合言葉でした。

air-way(気道)のA、breathing(呼吸)のB、 circuration(循環)のCで
まずは空気の通り道を確保したのちに
人工呼吸をしつつ、
それから心臓マッサージを行いましょう
というもの。

ところが、これも既に今は昔。
2010年以降のガイドラインでは、
気道確保や人工呼吸よりも早く循環の確保を行うことが推奨されています。
ABC」ではなくて「CAB」が推奨されている順序です!

(無酸素状態による臓器のダメージを最小限にするためです。
 特に脳は酸素の供給停止後5分以上経過すると深刻な機能障害をきたすといわれています)

昨年10月に一般社団法人 日本蘇生協議会(JRC)による「JRC蘇生ガイドライン」が5年ぶりに改訂されました。

BLS.jpg

引用元:
http://jrc.umin.ac.jp/pdf/20151016/1_BLS.pdf

最新のガイドラインでは
順序だけでなく、推奨されているマッサージのテンポや胸骨を圧迫する深さなども改訂されています。

2010年のガイドラインでは
「1分間に100回以上の心臓マッサージ」が推奨されていました。

2015年では
「1分間に100~120回」と変更されています。

(マッサージのリズムが早すぎると効果的な循環を確保できないため、
上限が設けられたという経緯があります)



しかし、ここで大きな問題が。

心肺蘇生を行うという非日常の緊急事態において
「1分に100回~120回」のペースをいったいどうやって守ればいいのでしょうか!?

そこで、皆さんに馴染みのある「音楽」がひとつの目安になります。

「アンパンマンマーチ」
「世界でひとつだけの花」

・・・ほぼ、1分で100拍のリズムです。

Princess Princessの「Diamonds」
ビートルズの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」

・・・ほぼ、1分で120拍のリズムです。

また、胸骨の圧迫は「5センチ程度、6センチをこえない」程度の力が目安です。



AED(自動体外式除細動装置)の普及もあり、
適切な初期対応を行うことで救える命が増えています。
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h24/h24/html/2-2-5-5_2.html

いざという時に、大切な人の命を守れるように
正しい知識を身につけて冷静な対処を行えるようになりたいです。




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2016.02.08 Mon l おしごと l top
昨日、Facebookにインフルエンザの流行について書きました。

インターネットで様々な情報に容易にアクセスできるこの時代。
もちろん私もひとりのユーザーとして大いに恩恵に授かってはいるのですが
時折、不正確な情報や少し偏りのある情報が流れてくることもあります。

大手ネットニュースで、「1月29日に全国でインフルエンザの注意報レベルに達した」と報じられました。
しかし、これは真に正確な情報ではありません。

ニュースソースである国立感染症研究所のサイトを検討すると
「全国で注意報レベル」ではなく、
「全国の多くの都道府県で注意報レベルを超え、一部では警報レベルに達している」状態
であったことがわかりました。

1月29日の時点で

●警報レベル 6道府県
●注意報レベル 35都府県
●警報・注意報レベルに達していない 6県


と報告されています。

もっとも、ニュースサイトの報じられ方も「流行しているから気をつけましょうね」という内容なので、
決して”大間違い”ではないのですが、個人的には少し残念に感じています。

行政からの情報発信が、やや難解であることも原因のひとつかもしれません。
情報を発信する立場の方は、勿論自分も含めてですが
「わかりやすく」「正確に」という基本中の基本を忘れないことが大切ですね。

そんなことを考えさせられる一件でした。



ちなみに。
インフルエンザの「警報」「注意報」の仕組みを簡単にご紹介しますと、

全国のおよそ5000件の医療機関のインフルエンザ患者数の統計から
各都道府県ごとに「注意報」や「警報」として注意喚起されるようになっています。

なお、
1医療機関あたり10名の発生で「注意報」となり、今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性を示唆します。
1医療機関あたり30名の発生により「警報」、つまり大流行の注意喚起です。

インフルエンザは、入念な手洗い、うがい、人ごみを避けるといった生活上の予防のほか、
ワクチンによる予防も効果が期待できます。

※2016.11.15 追記※
2016~2017年シーズンは当院ではインフルエンザ予防接種を取り扱わないことといたしました。
悪しからずご了承くださいませ。

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2016.02.01 Mon l おしごと l top
労働安全衛生法の改正により、
平成27年12月1日より事業場でのストレスチェック、面接指導の実施が義務付けられます。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/kouhousanpo/summary/
厚生労働省のサイトでその概要が説明されています。

さらにかいつまんでお伝えしますと、
年1回、事業場で自己記入の調査票による従業員のストレスチェックを行います。
その結果、高ストレス者からの希望があった際に医師による面接指導を行い
事業者は医師の意見を勘案し、必要と認めた際に就業上の措置を講じること、それが事業場における義務となるのです。

なお、従業員数が50人未満の事業場においては当分の間「努力義務」となっています。

チェックや指導は、事業者ではなく産業保健スタッフ
(医師や保健師、精神保健福祉士等)が主体となって行い、
労働者の同意なしに事業者には開示されないものとされています。

年々増えているメンタル不調者を減らすための国の取り組みのひとつなのですが、
わたし個人的には、この制度には積極的に歓迎の立場ではございません。

もちろん、このようなチェックをきっかけに、
働く人が自らの心身の状態を見つめ直し、セルフケアに励んだり
ばあによっては配置転換や労務負荷の軽減、ときには休職など就業上の配慮を受けることで
健康状態を改善させられる方も少なくないでしょう。

「メンタル不調者をすくいあげ、早めに手当をして労働者の心身の健康を促進すること」が
この制度の目的だとは理解できます。

しかし、必ずしも本来の意味合いどおりには事態が動かないのではないかと危惧します。

たとえば、チェックの結果、高ストレス状態だということがわかっても、
当事者が「結果を事業者に伝えないでほしい」とおっしゃるようなケース。
かかわる産業保健スタッフは非常に苦悩することになるでしょう。

労務負荷の軽減、配置転換、休職といった
就業上の配慮で救うことができるかもしれないのに
ストレスチェックで抽出されたとしても、
当該労働者が事業主への情報開示を拒んだ場合、
人事権や労働の裁量権を通常もたない産業保健スタッフは
それ以上の労働環境への介入が非常に難しくなるのです。
相談機関の紹介や精神科への受診勧奨を行うこともできますが、
相談や治療だけでは解決に向かわないこともままあると思います。

また、面談はあくまでも任意ですが、
「高ストレス状態と判定されたら面談に呼ばれてしまう」ことを恐れ
チェックシートを軽めに申告する労働者が出てくることも想像に難くありません。

私は、この制度について考えはじめると、
いつもモヤモヤとした気持ちになるのですが、
こんなチェックを義務化するだけでなく
私たち精神科医が意識を変えていくことも不可欠だと感じます。

普段から精神科やメンタルクリニックに対しての敷居が
もっともっと下がっていれば良いのにと。

「ちょっと調子が悪いな」と感じた時に
マッサージにいったりするのと同じように、
もう少し気軽な気持ちで精神的な不調を相談にいらしていただけたらと思っています。

治療が必要かどうかわからないけれども、相談だけしてみたいという方も
当院では歓迎いたします。

(もちろん、医師ですから、診察の結果治療が必要と判断した場合には
 患者さんが早く回復するための手助けとしてお薬の処方もすることがありますが、
 お薬に抵抗の大きい方には無理に服薬を勧めることはいたしません。)

健康保険の記録が残ることが心配という方は、
保険証をつかわない自費での相談、治療も承っております。

私が開業をしたのは、
「ひとりでも多くの、助けられる人を救いたい」
「ケアが遅れたがゆえに治療が長引く人を減らしたい」
そんな願いからです。
そのためにできることを、これからも模索していこうと思います。


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2015.11.06 Fri l おしごと l top