山本亜希メンタルクリニックのブログ ~千代田区 九段下より~ 2013年12月
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出身医局の同門会誌から原稿依頼をいただきました。
拙い拙い文章ですが、これまでの感謝とこれからの決意をこめて
年の瀬にここに掲載することとします。
(一部改編)

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平成13年入局の山本亜希と申します。
平成25年2月に、千代田区九段下にメンタルクリニックを開業いたしました。
現在のところ、医師は私1名で、受付スタッフ2名、パートの看護師1名と、
小規模ながら結束力のあるチームで日々診療にあたっています。

診療所は、九段下駅から徒歩30秒のビル6階にあります。
窓からは靖国神社の鳥居や日本武道館の屋根も見え、とても眺めのいい、
手前味噌ですが素敵な場所です。

周辺に精神科診療所も非常に多く、
実は診療圏調査では1日10人程度という心もとない数字でしたが、
「メンタルクリニックは一定の評価を得れば遠方からでも必ず患者さんが来てくれる」
という希望的観測からこの地を選びました。
そして、その選択は間違っていなかったと今では確信をもって言えます。

運よく、優秀なスタッフにも恵まれ、接遇にも力を入れているおかげか、
現在のところ大過なく診療を続けることができています。

もともと私が開業を決意したきっかけは、
「忙しく働く人が少し調子を崩した時に早目に受診できる敷居の低いメンタルクリニックを作って、
世の中の役に立ちたい」という思いからでした。

そのために、平日も夜19時まで受付、日曜日も診療という時間設定とし、
待合室もゆったりと過ごしていただけるような設計にしています。

通院患者さんの半分ほどは神経症圏の方で、
軽い不眠、食欲不振といった初期段階で受診をし、
結果数回の通院で改善して治療終結という方も少なくありません。
回復して医療の助けがいらなくなった方を見送る瞬間というのは、
とても誇らしく、でも少し寂しいものですが、
ここに誇らしさを感じなくなったら開業医を辞める時だと自分に言い聞かせております。

卒業してから4年間、大学医局でお世話になりました。
諸先輩方や同僚の皆様に温かく支えていただきながら初期の臨床経験を積めたことは、
自分にとってとても幸いなことでした。

**先生をはじめ、医局の先生方、
勤務先でお世話になった先生方やスタッフの皆様方に対する感謝の気持ちは、
山形を離れて10年ほどになる今でも忘れたことはありません。
開業し「院長」になり「事業主」になった現在、
そう簡単に弱音を吐ける場所がありませんが、
あの時代に私は多くの方に守られていたのだという思いが
前に進むエネルギーになっているように思います。

実は、最近になってようやく、
精神科医は自分にとって天職だったのでは、と思えるようになりました。
そういう思いになれたのは、
これまで出会った患者さん達、恩師の方々、同僚の皆さん、スタッフの皆さんのお蔭です。

自分を育ててくれた方々、支えてくれた方々、世の中への恩返しだと思って、
これからも誠意をもって診療を続けていく所存です。
同門の先生方、どうぞ今後ともご指導のほど宜しくお願いいたします。
2013.12.30 Mon l おしごと l コメント (0) トラックバック (0) l top
精神科の医療機関に近寄り難い理由をリサーチしてみると、社会的条件、偏見を別にすると、

1)睡眠時間を削って仕事をして、体調を崩しているのに、平日昼間、オフィスアワーに時間がとれない。

2)クリニックにいっても、長時間待たされる。

3)クリニックの待合室の雰囲気が悪い

4)診療時間、診察時間が短い
 
いうことがわかりました。

1)については、もっともで、
診察の中で話を伺っても強く思うことでした。
医師の自分が体調を崩しても、平日昼間に1日休んで病院にいくには相当の覚悟がいります。
結果こじらせることもわかります。

なので、残業、休日出勤が苦手な私ですが、一大決心をして、
夜7時まで受け付け、日曜診療を最初から選びました。

2)については、
予約制を導入し、
忙しく働く方の貴重な時間をできるだけ無駄にしない、
お待たせしない診療をめざすことに決めました。

診療時間が前後するのは当たり前、待たせて当たり前、という医者本位の風潮が
すくなからずあることは、
「初期の段階で適切な治療を受ける」ことを妨げる要因のひとつになっているように思えてなりません。

開業時に読んだ書籍には、
「待たせないと患者さんがありがたみを感じないから、
来院した方を必ず待たせてから診察室に入れるべき」という
トンチンカンな記述もありました。

また、診療科の特性上、体調を崩して通えない、キャンセルが一定数はかならずあるので、
それを見込んで、オーバーブッキングをする。だから待たせるという運営をする医療機関もあるようです。

しかし、初期段階で治療のモチベーションを持続していただくためには
このような仕組みは患者さんにとり、決してプラスには働きません。

ですので、ここは、診療効率を悪化させることになったとしても、
お待たせしない診療を目指すという覚悟を決めました。

3)待合室に関しては、これも私の強い思いがある場所ですので
後日改めてここでお話したいと考えております。

4)患者さんの診察に要した時間が5分でも、20分でも、
保険診療では医療機関の収入はまったく変わりません。

全国共通で、都市部でも、田舎でも、医師の経験や能力が異なっても、同じ診療報酬です。
必要、医院の経営を考えれば、20分診療するよりは、回転を良くして、1時間に@人診療しようというようになります。
補助者に話を聞かせて、形式的に医師が診断するというクリニックもあります。

良し悪しは、患者さんが選ぶことですが、
私は、自分できちんと話を聞いて、自分で判断して、患者さんを治療したいと考えています。
そのためには、どうしても初診で30分、再診でも10分は必要です。

本当は、完全に自費で診療をしたいと思っていますが、まだ先のことになると思います。
2013.12.23 Mon l 診療 l コメント (2) トラックバック (0) l top