山本亜希メンタルクリニックのブログ ~千代田区 九段下より~ 冬を前に、皆さんにお伝えしたいこと(2020.11.13)
まずは、院長の現時点での基本的な考え方

1.
基本的な感染予防策はこれまで通り継続しましょう。
(特に手洗いと飛沫感染防止のための換気、ソーシャルディスタンス)
※マスクについては賛否両輪あり、有効/無効両方のエビデンスが出てきていますが
 現状では世論を鑑み個人的には「マナー」と解釈して装用を継続しています。


2.
発熱や倦怠感など、風邪症状のある時は他者との接触を可能な限り控えましょう。

3.
上記1.2.を意識した上で、以前の生活に出来る限り近づけることが
国や社会の未来の安定のために必要です。





現状、日本では(理由はまだ明らかではありませんが)
新型コロナウイルス感染の重症者や死亡者は顕著な増加は見られません。
過度な自粛による経済の崩壊、心身の変調のほうがはるかに大きな問題です。

これまでも私たちは種々の病原体の漂う中をたくましく生き抜いてきました。
新型コロナは、当初「未知のウイルス」でしたが
今は戦い方、身の守り方がだんだんとわかってきている段階です。

大きくとりあげられることがなかっただけで、
感染症は生物の身体を蝕み、それなりの数の犠牲を出してきていました。

肺炎で亡くなる日本人は年間約10万人。
そのうち約半数、約5万人が「肺炎球菌」が原因といわれています。
「インフルエンザ」感染により亡くなる日本人も近年は年間3千人程度。

それでも、会いたい人に会って行きたいところに行く生活を
我々は続けていました。

感染症を完全に「制御」「撲滅」をすることは難しく
ある程度の犠牲を出すこともやむなしとして社会生活を営んでいたのです。

新型コロナウイルスは、当初は致死率や病原性の高さが未知でしたから
最悪の事態を想定して
「人と人の接触を厳しく制限し可能な限り感染を広めない」ことに世界中が注力しました。

情報と経験の少なさから
その時はそうすることが最善の選択だと信じるほかなかったからです。

しかし。
この新興感染症が蔓延して数か月。
ある程度戦い方や予防の仕方がわかってきた今は
考え方を変えていくことが必要なフェーズに入っていると言えます。

陽性者は増加していますが、
気温と湿度の下がる時期に数が増えるのはウイルスの性質を考えたら当然です。
(そして、見逃されがちですが 陽性者が必ずしも感染者とはいえないのに
 同列にしか扱われない現状に大変胸を痛めています…)

数のインパクトは確かに人々の心を動揺させます。

それでも、経済を破壊し夢や希望を奪い、多くの人が健康を損なうことにもつながる
「過剰な自粛」は、二度とするべきではありません。

陽性者数だけに目を奪われてしまうことのないように、
バランスよく、様々な情報を能動的に手に入れて
健康な生活を皆さんに送っていただきたい。

このように考えています。

新興感染症の蔓延によって、世の中が思いもしない形で急激に大きく変貌してしまいました。
経済的に困窮している方、仕事や居場所を失ってしまった方、
夢や希望が見えなくなってしまった方の多さを
日々、診療にあたる精神科医として肌で強く感じています。
(もっとも、医療費すら捻出できずにいる方や受診につながらない方もおられるでしょうから
現状は私の想像よりも遥かに深刻なのかもしれません。)

我が国の現状。
10月に新型コロナウイルス感染で亡くなった方は主に基礎疾患のある高齢者、188人。
(しかも、新型コロナウイルス感染が主な死因ではない方も含んでいます)
一方で自殺者は614人。
その大半が、この世の中の変化からなんらか影響を受けているであろうことは想像に難くありません。

守るべき人は引き続きしっかり守りつつ
医療の崩壊は極力防ぎながらも
生活を、経済を破壊しないための方策を
精神的に健康でいられるためのバランスのよい行動様式を
一刻も早く取り戻さなくてはいけません。

政府の方針も、現状では
「人と人との接触を極力減らす」ということではなく
「感染拡大を防止しながら生活を次第に元に戻す」方向に変わってきていることは明白です。

当院でも、緊急事態宣言下ではご希望の方には理由を問わず電話診療を行っておりましたが
現在は対面診療を原則としています。

様々な価値観、考え方があることも理解をしていますが
偏った情報や恐怖に基づいて
適切ではない行動をとってしまいそうな方がまだまだ多いのです。

「感染が怖いから通院をしたくない」という方。
上記のような客観的データをご覧になったうえで、
もう一度しっかりと考えてみてほしいのです。

それでもなおご通院に不安のある方は、
ご自宅近くに治療の場所をうつすことや、
訪問診療を行っている医療機関やオンライン診療を行っている医療機関に転院することも
選択肢の一つかとは存じます。

詳細は、診察の際にご相談しましょう。

賛否両論をいただきそうな記事ですが、
ここで世の中の空気がどう変わっていくかで
日本の未来が左右されるという強い危機感があり
少し強めの表現も含みつつ筆をとりました。

少し厳しく感じられる方もおられると思いますが
どうか、ご理解いただけましたら幸いです。

2020.11.13 Fri l 診療 l top