山本亜希メンタルクリニックのブログ ~千代田区 九段下より~ 同門会誌への寄稿
出身医局の同門会誌から原稿依頼をいただきました。
拙い拙い文章ですが、これまでの感謝とこれからの決意をこめて
年の瀬にここに掲載することとします。
(一部改編)

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平成13年入局の山本亜希と申します。
平成25年2月に、千代田区九段下にメンタルクリニックを開業いたしました。
現在のところ、医師は私1名で、受付スタッフ2名、パートの看護師1名と、
小規模ながら結束力のあるチームで日々診療にあたっています。

診療所は、九段下駅から徒歩30秒のビル6階にあります。
窓からは靖国神社の鳥居や日本武道館の屋根も見え、とても眺めのいい、
手前味噌ですが素敵な場所です。

周辺に精神科診療所も非常に多く、
実は診療圏調査では1日10人程度という心もとない数字でしたが、
「メンタルクリニックは一定の評価を得れば遠方からでも必ず患者さんが来てくれる」
という希望的観測からこの地を選びました。
そして、その選択は間違っていなかったと今では確信をもって言えます。

運よく、優秀なスタッフにも恵まれ、接遇にも力を入れているおかげか、
現在のところ大過なく診療を続けることができています。

もともと私が開業を決意したきっかけは、
「忙しく働く人が少し調子を崩した時に早目に受診できる敷居の低いメンタルクリニックを作って、
世の中の役に立ちたい」という思いからでした。

そのために、平日も夜19時まで受付、日曜日も診療という時間設定とし、
待合室もゆったりと過ごしていただけるような設計にしています。

通院患者さんの半分ほどは神経症圏の方で、
軽い不眠、食欲不振といった初期段階で受診をし、
結果数回の通院で改善して治療終結という方も少なくありません。
回復して医療の助けがいらなくなった方を見送る瞬間というのは、
とても誇らしく、でも少し寂しいものですが、
ここに誇らしさを感じなくなったら開業医を辞める時だと自分に言い聞かせております。

卒業してから4年間、大学医局でお世話になりました。
諸先輩方や同僚の皆様に温かく支えていただきながら初期の臨床経験を積めたことは、
自分にとってとても幸いなことでした。

**先生をはじめ、医局の先生方、
勤務先でお世話になった先生方やスタッフの皆様方に対する感謝の気持ちは、
山形を離れて10年ほどになる今でも忘れたことはありません。
開業し「院長」になり「事業主」になった現在、
そう簡単に弱音を吐ける場所がありませんが、
あの時代に私は多くの方に守られていたのだという思いが
前に進むエネルギーになっているように思います。

実は、最近になってようやく、
精神科医は自分にとって天職だったのでは、と思えるようになりました。
そういう思いになれたのは、
これまで出会った患者さん達、恩師の方々、同僚の皆さん、スタッフの皆さんのお蔭です。

自分を育ててくれた方々、支えてくれた方々、世の中への恩返しだと思って、
これからも誠意をもって診療を続けていく所存です。
同門の先生方、どうぞ今後ともご指導のほど宜しくお願いいたします。
2013.12.30 Mon l おしごと l コメント (0) トラックバック (0) l top

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