山本亜希メンタルクリニックのブログ ~千代田区 九段下より~ 2015年を振り返って
2015年が終わろうとしている今、
色々な思い出が心の中をめぐっています。

嬉しいことや楽しいこと、幸せなことも数えきれないほどあった一方で
近しい親族が大病をしたり、亡くなったり
また自身の健康問題も勃発したりと、

生きることや働くこと、自分の人生設計について
例年以上に考えさせられる一年でした。



本来、このような業務にかかわるブログで
私的なことについて多くを語るのは好ましくないことなのかもしれませんが
この場を借りて少しお話させてください。



当院のホームページの「診療方針」の欄。
開院前に、家族と一緒にかなりの時間をかけて何度も何度も推敲を繰り返して完成させたものです。

その中に、とても気に入っていたけれども
削除せざるを得なかったフレーズがあります。

「当院では、”主治医の変更”はありません。いつでも院長の私が診察いたします」
「全ての患者さんを初診から終診まで責任もって院長が診察いたします」

開院当初からのこの強い思いは、2年と数か月で
残念ながら、私の体調の問題でいったんあきらめねばならなくなりました。

今年の夏、「網膜剥離」という眼の病気になり
手術を受けることとなってしまったのです。

突然の発症、緊急入院でしたので
業務の調整を十分に行うことが出来ませんでした。
代診の先生のご依頼も当院の希望通りにいかなかったため、
何人かの患者さんには、ご予約通りに診察を受けていただけず
また予約変更をお願いする等、大変にご心配、ご迷惑をおかけしてしまいました。
改めまして、心よりお詫び申し上げます。

幸い、主治医の先生を心から信頼して
安心して治療を受けることが出来ましたし、手術も大成功でした。
視力も視野も日を追って回復傾向にあり、現在日常生活や業務に不便を感じることは全くありません。

とはいえ、療養中には、それはそれは様々な不安が渦巻きました。
当時の日記を読み返すとネガティブな言葉のオンパレードで苦笑いがこみあげてまいりますが
それを今、笑い話にできるのも心身の健康を取り戻せたからこそです。

安全に自由に動き回れる毎日がどれだけありがたいことか
改めて実感をいたしました。

そして、健康を損なってしまったときに
医師の言葉のひとつひとつにどれだけ救われるのかということも。

主治医の先生は、
私を”患者”として労り治療してくださっただけでなく、
ひとりの人間として尊重してくださいました。

入院や手術の日程も、私の仕事に及ぶ影響を最小限にするために細やかにご調整のうえ、
眼科の手術日ではなかった曜日に、
御自身の貴重な時間を割いて手術をしてくださったのです。

私も病院で働いていたことがありますから、よくわかるのです。
大きな組織であればあるほど、本来のルールからはずれたことを実行するのは本当に難しいことだと。

重ね重ね、先生をはじめとしたチームの皆様には頭が下がる思いです。
真摯に医療に取り組む姿からは、本当に多くのことを学ばせていただきました。

先生方、病院スタッフの皆様の御恩に報いるためにも、
そして私の病気治療の為にご迷惑をおかけしまった患者さんへのせめてもの罪滅ぼしのためにも、
新たな一年は、今まで以上に健康に留意しながら
より誠実に、日々診療に励んでまいります。

支えてくださる方、頼りにしてくださる方、応援してくださる方。
たくさんの方の力に支えられて、今日も私は元気にいられます。

いつもたくさんのお心遣いを、本当にありがとうございます。
年の瀬に、皆様に感謝の気持ちをこめて。

山本 亜希



2015.12.28 Mon l ごあいさつ l top