山本亜希メンタルクリニックのブログ ~千代田区 九段下より~ メディアの医療情報について思うこと
昨日、Facebookにインフルエンザの流行について書きました。

インターネットで様々な情報に容易にアクセスできるこの時代。
もちろん私もひとりのユーザーとして大いに恩恵に授かってはいるのですが
時折、不正確な情報や少し偏りのある情報が流れてくることもあります。

大手ネットニュースで、「1月29日に全国でインフルエンザの注意報レベルに達した」と報じられました。
しかし、これは真に正確な情報ではありません。

ニュースソースである国立感染症研究所のサイトを検討すると
「全国で注意報レベル」ではなく、
「全国の多くの都道府県で注意報レベルを超え、一部では警報レベルに達している」状態
であったことがわかりました。

1月29日の時点で

●警報レベル 6道府県
●注意報レベル 35都府県
●警報・注意報レベルに達していない 6県


と報告されています。

もっとも、ニュースサイトの報じられ方も「流行しているから気をつけましょうね」という内容なので、
決して”大間違い”ではないのですが、個人的には少し残念に感じています。

行政からの情報発信が、やや難解であることも原因のひとつかもしれません。
情報を発信する立場の方は、勿論自分も含めてですが
「わかりやすく」「正確に」という基本中の基本を忘れないことが大切ですね。

そんなことを考えさせられる一件でした。



ちなみに。
インフルエンザの「警報」「注意報」の仕組みを簡単にご紹介しますと、

全国のおよそ5000件の医療機関のインフルエンザ患者数の統計から
各都道府県ごとに「注意報」や「警報」として注意喚起されるようになっています。

なお、
1医療機関あたり10名の発生で「注意報」となり、今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性を示唆します。
1医療機関あたり30名の発生により「警報」、つまり大流行の注意喚起です。

インフルエンザは、入念な手洗い、うがい、人ごみを避けるといった生活上の予防のほか、
ワクチンによる予防も効果が期待できます。

※2016.11.15 追記※
2016~2017年シーズンは当院ではインフルエンザ予防接種を取り扱わないことといたしました。
悪しからずご了承くださいませ。

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2016.02.01 Mon l おしごと l top